アルケーとタレス

多くの初期哲学者は,物質(ヒューレー)の根源(アルケー)が万物の存在する根源だと考えていた。万物がそれでできていて,それから生まれ,それへと戻っていく……これが,万物の要素であり,根源である。……こうした哲学の開祖タレスは水がそれだと言っている(だから彼は大地が水の上に浮いていると唱えた)。彼がこう考えたのは,おそらく万物の養分は湿っていること,また熱自体も湿りから生じ,湿りによって維持されることを観察したからだろう。

(アリストテレス,[田井中 一部意訳],『形而上学』 1-3 983b)

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